Anoko
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あの子
ありがとうございました。 ずっと私はひとりだと思っていてひとりを好んで居たので、だれかの視界の隅っこに居られることがとても新鮮で、それが怖くなったり億劫になったりしたこともあったけれどやっぱりとても嬉しかったです。 これからの私も、あの子でなくなったとしても、貴方の視界と記憶の片隅を控えめに占拠させて欲しいです。 語りかけるのが好きじゃないからあまり言ったことがなかったかもしれないけれど、1度でもちあしてくれた人全員、ちゃんと覚えています。承認欲求が強いくせに人に見られると逃げてしまうこんな私を(0)
(ちょっとボタンを押したかっただけなので即切ります気にしないでください)(0)
" 今日もきみはしずかにすわっていて話す言葉ひとつひとつに耳を傾ける。クラスであったこと学校のテスト朝ごはんのこと。なんてことのないつまらない話なのに楽しそうにきみが微笑むから、毎日そんなつまらない話をきみに聞かせたくて集めた。昼休みのサッカーを断る度に周りは訝しげな目線を投げたけれど、それも最初だけでそのうち周りも慣れてサッカーを誘われることもなくなった。今日は、どんな話をきみに聞かせよう?それが唯一の日課で楽しみだから、 「え………」 きみに会えなくなるなんて、そんな当たり前のことを考えても(0)
プロって本当にすごすぎてすごいと思う隙すら与えないのだと知った今日。圧倒的ってとてもすごい。 " ボールが校舎裏にまで飛んでいってしまったことだけが、想定外だった。 「あさひ、早く取ってこいよー」 「お前がノーコンだからだろっ」 ってか、普通あんなに奥まで飛ぶかよ。 ぶつぶつ文句をこぼしながらも花壇の中に入り込んでいたボールを見つけて手を伸ばす。 ん? 視線を感じた気がして振り返ると。 ガラス越しに目が、合った。 「ぁ、」 途端、白いカーテンが閉められる。 旧校舎の1階、2番目の窓。元、第二(0)
擬似JKのど陰キャだけど、こんなものでも過去になれば懐かしく感じるものなのだろうか。今つまらないなぁと思っているものでも思い出す頃には案外美化されていて、キラキラな青春に思えるのかもしれない。 先日、クラスの子に「すごいJKしてるよね」と言われて、友達もいなければはしゃぐこともないし、リアルに教室の隅にいるぼっちライフを謳歌していると思っていた私は傍目から見たらそのような風にも見えるのかと酷く驚いてしまった。きっと、隣の芝は青く見えるとかそういう心理現象なのだろう。若しかしたらきっと私が少し羨ま(0)
" それからしばらく保健室とピアノの部屋とをそっと往復する日々が続いた。せっかくだから席について授業を受けてみたい、とは思うけれど途中から行くのもなんだか気恥ずかしくて、一ヶ月を見つけた特等席で過ごすことに決めた。彼らは毎日校庭を走り回って、私のできないことを全部やってのけた。そして、今日も。グランドピアノの蓋を開けて和音の位置に指を下ろす。弾くのは今日ももドビュッシーの沈める寺。前はいつも引っかかっていたはずのところもいつも間にか流れるように弾けるようになっている。『柔らかく響く霧の中で』『少(0)
" コーヒーでも片手に持ちながら歩いたらかっこいいかもしれない。そんなことを思いながら学校に着いて校門をくぐると大きな桜の木に目を惹かれた。他の桜がほとんど散りかけている中、その桜だけはピンクの花をいっぱいに咲かせていた。青の背景に伸びる枝を揺らすようにチャイムの音が響く。どうやら授業は始まってしまったみたいだ。まぁいいや。いい機会だから今のうちに学校を探検してみるのもいいかもしれない。そう思い立って校舎周りを歩いてみると花壇に囲まれたひとまわり古びた校舎を見つけた。窓越しにカーテンが揺れて反対(0)
" 続 これが、きみが、見ていた世界。 恐る恐る近づいてピアノの蓋を開けると白黒の鍵盤が覗く。触れた指先からくぐもった音が鳴る。デタラメでヘタクソなメロディーに視界が滲む。それはもう子どもじゃいられないと知らしめてくるようで。つっかえた音に手を止める。ならない鍵盤の間に手紙型に折られた小さなノートの紙切れが挟まっていた。 『お話上手の君へ』 女の子らしい丸っこい字に桜のマーク。字なんて見たことは無かったけれど、きみの書いたものだと思った。きみが、確かにここにいた証。夢じゃない、幻想じゃない証。 (0)
" 桜が咲くと思い出す。戻れないあの日。戻りたいあの日。 そしてあわよくば、もう一度きみと―― 開かれた白いノートにシャープペンシルの影。窓から差し込む暖かい日差しと穏やかな春の風。鼻腔をくすぐる甘いような爽やかなようなどこか懐かしい匂いに春を感じる。また、春が来た。何度も巡る同じ季節、同じ景色。だけどあの春は、戻りたいあの日はもう二度と……。 刹那、桃色を乗せた風が強く吹いて白いカーテンを旗めかせた。揺らめく桜の木が花びらを舞い踊らせる。 「おい、窓閉めてくれ」 教師の声に立ち上がると窓に手(0)
" 平成最後の夏は高校最後の夏。 最後の夏は色んなことが終わるからどうにも足掻きたくなる。毎年学校に缶詰で必死に準備していた文化祭がほぼ手を出さずに来てしまうのとか、毎年立っていた舞台に立たないのとか、大好きな先輩に会う口実がもうないのとか、そして来年になればこの"終わり"さえもなくなってしまうのとか。ルーティーンになってしまったものが変わるとどうしようもなく不安になる。 最高に憧れている先輩がいる。人間だから完璧という訳では無いし、その時から時が経って自分が先輩と同じ立場を経験してその上で格段(0)
" 憧れの場所に行った。憧れは憧れで現実になった途端強い力が押し寄せて飲まれそうになる。憧れは現実感がない掴めないからこそ漠然と理想郷でいられるのだ。 作品を見た。私には理解できない作品があった。でも何だか惹き付けられるものがあって、わからないけれどすごいと思った。ずっとその作品を見ていたらバラバラだった点と点がふと繋がって腑に落ちた瞬間、怖くなった。"わからないけれどすごいもの"をわかってしまった途端、私には受け止めきれないエネルギーをぶつけられたようにくらくらした。胸に強い衝撃を受け、目の前(0)
初めて髪を染めた。 とは言っても地毛と誤認されそうな黒髪の範囲内だけれど 世間の理不尽なしがらみを、押し付けられた常識をとっぱらったら、少し楽しくなったけれど世界は相変わらず何も変わらなかった。わかっていた。初めてサボタージュした時も学校の外へ出た時も少し明るくなった気がしただけで世界は何も変わらなかった。そんなに簡単に起きる変化なんて早々ないとわかっているけれどそれでも私は短絡的で表面的な変化に過剰な期待をしてしまう。自分とこの世界を無理やり結びつけるしがらみをひとつひとつ解いていったらいつか(0)
" 『自分史上最高の1枚』と言われて真っ先にこの写真が思い浮かんだ。 しかしこれは幼少期の写真であるが決してふざけている訳では無い。この時の私は今の私が欲しいものを全て持っていた。私は勿論決して生来顔面偏差値が高く生まれた訳では無い。ある一件から我武者羅に踠き、やっと蓼食う虫も好き好きの枠に入れた程度だ。一年前の写真なんて酷いもので自分のケータイのバックアップからは全てを消去した。 世間一般論は置いておくとして、今の私は今までの"私歴"のなかでは一番顔がかわいい。勉強も趣味も全てが今までの私の中(0)
自分に喝を入れる回。 自分に思うこと ・さっさと覚悟決めて出し惜しみしてるもの全部出せ ・とりあえず動け ・Twitter消すなら消せ、残すなら残すで使い方決めろ ・色々と作って満足するな、出せ ・方向性が〜とか思う暇あるならとりあえずやろうと思ったこと全部やってみてから考えろ ・こういうの書いてる暇あるならやろうとしてたことやれ ・残り時間短くなってから焦るのやめろ(定期) 2018.09.06. 最近疲れるというかモヤモヤすることが多くて、モヤモヤすると文章もまともに書けなくなるから辛い。(0)
" 続 待合室は暖かかった。見えないけどどこかに暖房があるのかな。待合室をおじさんと同じタイミングで出た。もう空っぽ。次の電車が来た。帰りの電車は混んでるなぁ。ふと学校に着くのが9時をすぎることに気づいて少し焦るけどまぁ仕方ないか。 行きはほとんど日記を書いていて周りを見ていなかったことに気がついたので窓の外を目に焼き付けてみる。いつものそれと大して変わらないつまらない車窓だけどちゃんと記憶に残しておきたくてずっと見ていた。……全然覚えてないけれど。 再び--。不意にお腹が空いてアスパラガスのお(0)
"騒々しい朝、存在するだけで疲れる街。 朝8時電車が遅延した。遅延証明書には15分と書いてあるけれど確実に20分は遅延していたと思う。学校へ行きたくなくて駅から出てみた。曇り空は灰色でアンダートーンの景色が現実を切り離しているような。 【画像添付】 いつだって死にたい。どうぶつの森みたいな世界に住みたい。 しばらく外を歩いてみたけど無意味だと悟って駅に戻る。人が絶えず動き回って心が疲れる。東京は時の流れが違うのだと思う。8時30分。仕方がないから--線に乗る。工事中のフェンスを鳴らす変なおじさん(0)
" セミファイナルになったらやろうと思っていたことをほとんど達成しないままカウントダウンが始まってしまった。勇気を出す度に出る杭は打たれる、とばかりに叩かれて面倒くさくなったというのは半分言い訳だ。自分自身が関わろうとしていない人にプラス感情であろうとマイナス感情であろうと無理矢理関わりを持たせられるというのは一律して苦手だ。だけれどそれを行動しない理由にするのは単に私の弱さ故でそれをこの期間に達成しようと決めていたのに。自分で自分を保てる自信がない。私は私を判断する価値観を自分で確立しきれてい(0)
曇天の海はいつも美しくて濁った海にすら救われてしまう。増えていく中途半端な思い出だとか捻り出した土産話だとか、話さないようにしていることだとかわざとぶり返して笑う嫌な話だとか、そんなものじゃなくてきっと私にはしないような無言の会話を一番求めてしまうのはきっと人の性なのだろう。美しいものはきっと手に入らないから美しいと思い続けられるのだろうし儚いものはきっと私には及ばないからこそ触れられない。 完全昇華しないと表には出せない感情ほど愛おしくて堪らない。明日は大嫌いな雨と大好きな太陽が、一緒に居てし(0)
明日の天気は曇り時々雨。若しかしたら私は雨女なのかもしれない。私が前々からどこかに行こうと決めていた日は大抵、雨が降る。そして私が家を出る時には丁度止んでいる。雨に好かれているのか嫌われているのか、よくわからない。 てるてる坊主を逆さまにすると雨が降るらしい。 てるてる坊主の首を切らないと自分の首が切られるらしい。 そんな迷信も逸話も晴れた日にはきっと忘れてしまう。 私の記憶の中の海はいつも今にも雨が降りそうな曇り空だ。ずっと。晴れた海が好きだけれど。 欲を言うなら天気雨が一番好きだ。狐の嫁入り(0)
明日が来るのが嫌なら一生今日を閉じ込めてしまえば良い。 現実で生きるのが嫌ならずっと夢の中にだけ生きれば良い。 夏休みが明けてみたら同級生が妙に現実主義になっていた。受験勉強で頭でもやられてしまったのだろうと思ったがそれに賛同の声を上げる同級生をみてやられなかった私の方が頭をやられてしまったように思えた。幼稚園、小学校の時はみんな当たり前のように夢を持っていてお花屋さんになりたいだとかプリキュアになりたいだとか宇宙飛行士になりたいだとか言っていたのにいつの間にか私を置いて稼げないからなれるわけが(0)
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