ミスiD2020 ファイナリスト
ヤスナガモモセ
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和服と洋服、小説、芝居が好きです。朗読配信します。 ツイッターフォローしてくれたらうれしいです @momose17198417
28『青ひげ公の城』この作品が好きな理由は、裏方もすでに舞台なのだということを、構造的なネタとして作品の芯に据えつつ、ただそれだけで終わらないから。芝居という枠を飛び越えて、その構造の面白さというものを私たちの生活の中に持ち込んでくれるようなエネルギーがあるような気がします。虚構とは、真実とは、現実とは、世界とは、という疑問に真っ向から向き合っていて、その手段が裏方を舞台上で演じるという構造になっているような気がします。だから実存に突き刺さる鋭い針を隠している。 よく人生に台本なんかない、的な(0)
29『ある男、ある夏』 政治には政治の、調理法には調理法の、幸福論には幸福論の、そういった価値付けをしてカテゴライズする、そうやって現実を切り分けて理解していくわけですが、そうやって切り刻んでしまうことは100カラットのダイヤモンドをバラバラにしてネックレスに、指輪に、イヤリングにと作り変えてしまうようなもので、もしかしたらすごく美しいかけがえのないものを殺人しているのかもしれません。 スクリーン、スクリーンに映してしまいさえすれば、あらゆる出来事は物理的にフラットになります。客席に座った私たち(0)
〈令和カウントダウン企画開始〉令和まで1ヶ月。次の元号が発表されて、でもここはまだ平成という、過去に生きてるような、未来を透視してるような、なんとなくSFな日々。記念に何かしたいなあと昨日から考えていたのですが、「読書雑記」でカウントすることにしました。敬愛する寺山修司作品を1日ひとつ読み、読書雑記を書きます。題して「令和カウントダウン寺山修司偏愛読書雑記」。まったくそのままですが笑。 読書雑記は書評でも読書感想文でもなくて、強いて言えばエッセイに似てるテンションで作品を読みながら思い浮かんだこ(0)
寺山修司の「地球空洞説」が好きです。地球の中身はマグマじゃなくってガランドウ。無への入り口を両極に持った内部空洞にある新世界。私たちが信じてる科学も物理も見てさわって確かめることができないんだから、そんなのいわれるがままに信じられないもの。それに、もし今見たら「確かにそう」だったとしても、もう一度振り返ったときに「そのとおり」になってるかなんてわからない。水たまりを揺らす雨は一応今は上から降ってきてるけれど、瞬きしたとたんに地面からわいてくるかも知れない。 そういう「そうかもしれない」を抱えて(0)
〈元号と世界と安永桃瀬〉いよいよ今日、新元号が発表されます。別に名前が変わったからと言って、私の身体も季節の流れも天体の軌道も何が変わるわけでもないけれど、社会の中では色々変わると思うし、そうすると社会で生きるという地点から切り離すことのできない私たちの眼に映る世界は、ちょっぴり何か変わるのかもしれない。それは、難しい話じゃなくても、例えばこのちょっとしたお祭り騒ぎだってそうで、こういう出来事を慰めに消費して人と関わって社会を紡いで、長すぎず短すぎもしない一生をちょうど良く生きてくんだと思う。(0)
〈桜、ほんとにきれいですか〉もうこの季節は歩けば桜、SNS開けば桜、エレベーターで乗り合わせれば桜、初対面の挨拶も桜。桜という単語を出しさえすれば誰もが相好を崩す、魔法の言葉。全国民が開花前線と天気予報に一喜一憂する、その団結力たるや、まさしく桜ファッショ。 でもあなたの見上げるその桜、ほんとにきれいですか?綺麗な花、日本の春の風物詩、じゃなくて目の前に生えてる「桜」は。 個人的には八重桜のぽってりとした花弁の玉が枝にちょこんととまった姿は可愛らしいと思うけど、とにかくソメイヨシノ。ソメイヨシノ(0)
一つ前の投稿では長々と長いくだを巻きましたが(2000字くらいだったので削りました。そんなに削っても冗長なテキストになるというのはつまり、私自身の思考回路が結構な繰り返し機構なんだと思う)結局つまるところ、見つけてもらえたって舞い上がって喜んじゃう自分への戒めでもあり、これからもっと面白いものを見せてやるっていう意気込みでもあり、それでも自信がなくてつい甘えたな方向へ転がっていってしまう自分(ほんと書いたこと守るのは難しいけど、書いたからには守りたいって自分を正すために書いているようなところもあ(0)
プレエントリー通過させていただいこと知りました。私の言葉が誰かに届いていた…夢みたいです。 私は誰かに肯定されたい、見つけてもらいたいとは思わない。誰かに何かをしてもらうことじゃなくて、私の思うことや見ている景色、生きてる世界を表現してつくったもの、それが誰かに届いて誰かの世界を鮮やかにできたらそれ自体が私の存在になると思う。それ以前に見つけてもらうべき私なんてそもそもいない。貴方に何かしてほしいわけじゃないけど貴方が必要。誰かの世界を彩ることによって私の世界も彩られる。 だから私は自分がどんな(0)
〈祈ることについて〉本当の祈りは生きることだとおもう。祈りに対象があれば、それは欲でしょ。純粋な祈りは何も望まない。対象も内容もない祈りを頼りにいきること。世界は広すぎて、私は小さすぎるけど、世界も私もどちらも同じきらめく流れにおいて現れたものだから、だから祈るんだと思う。(0)
あの子と私の顔が違うみたいにコミュニケーションの仕方ってそれぞれな気がして、会話ってどんな事実でその人を説明するよりリアルで、そういう言葉を交わすことで生じる言葉にならないものを紡ぐ会話って人と人の境界線を越境するファンタジーなんだと思う。(0)
2人は例えば悲しい時に悲しいと口にする事程ナンセンスな事はないと思ってて、現実をはぐらかし茶化し笑いあって、塞いだ耳の隙間から響く警笛をかき消す為、また次々とナンセンスな言葉を繰り出し戯れる。それが2人の誠実で現実で、その暗黙の均衡が破られる瞬間の物語。 こないだこんなかんじの百合作品を書きました。(0)
「私は、私の眼に映る景色を誇りに思う。どんなに汚れて、目を背けたくなるような光景だとしても、愛しいと思う。愛することができる。愛さないことができない。胸を張って曇りなくそう言えるものだけをみたい。生きる意味なんてそれだけ」(0)
〈ヒネモス〉ほんとうは始まりも終わりもない。ある価値のなかで始まりと終わりがある。決してどこにもたどり着けない飛ぶ矢のようにどこまでも分解してみれば、始まりでも終わりでもないひとつひとつの事実がある。料理をするなら、食材を洗うことと料理を皿に盛ることがあるだけ。そういう感じで出来事を丁寧にみれば、料理の始まりと終わりというものはない。週末も年末も週明けも年始も普通の日。終日もただそれぞれの瞬間。 でも始まりと終わりは、すごく便利。価値がないと私たちはなにも事実を組み立てられないくて、ばらばらの世(0)
〈トツキトオカ〉 トツキトオカで1つの世界ができあがる。ある神は光あれといったし、あるいは泥を垂らした。人間は1つの動作でとはいかない。しかし世界を作ることができる。しかしその世界は、一度作られて仕舞えば、その作り手の手から遠く離れていく。 ###はそれを知らない。自分で作ったものは自分の作品だと信じている。その純情さは愛せる、けどそのスタンスは愛せない。 とある役についてのメモ(1)
私は美しく循環する世界の中の、小さな吹き溜まり なので、 吹きだまって滞っている、その 堰 は、私の幼く膨らんだ頬と 母親の乳を求める唇 満たされないそれは、いつしか固い前歯になり もう求めるものも口にすることはできない 最果タヒさんに憧れ、私も私の世界から目をそらさず隅から隅まで見つめたいと思ってた頃の詩。(0)
失われてしまったもの を 焚き火にくべる ある種その憧憬 が 私の人生を照らす光 になっているととも言えると思うので 死んでしまったものたち と 損なわれてしまったそれら を 惜しい とは 思わない だってそれは、 死んでしまった/失われてしまったもの として 私のなかにとどまり/私を照らしつづけ るから それらは、持っている ことと、何が違うと言うのか 私は そうして 抽象という飽食に溺れ わがまま贅沢女とののしられ 少し顎を上げ微笑むのだけれど ときどき それ は 重さを持った水銀の水面に (0)
綿菓子の 溶けて滴る 雨の味 宇宙の味が 降り注ぐよる(0)
〈芝居について2〉分かり合えないもの同士が、物語を通してわかり合う話よりも、私が作りたいのは、分かり合えないもの同士がやっぱわかんないねって大爆笑して終わるみたいな話。で、多分お客さんもなんかよくわかんないけど、それでも何かそこに圧倒的な熱量があって、見た人の世界を理屈じゃなくて事実として攪拌したい。わかりあえないってことがわかって、でも私たちはわかりあえなくても楽しくやっていけるし、わかりあわなきゃならないなんてナンセンスで、わかりあえないままでそれでいいじゃん、むしろそれがいいし、そこにこそ(0)
ラジオ配信(0)
〈『サスペリア』リメイクと、ウェスアンダーソン〉こないだ『サスペリア』のリメイク版を見たんだけど、ぜんぜん意味はわからないけど、すごく何かがあることは伝わって、その何かが私の中にいろんな物語や光景を運んできた。赤といわれて赤と理解できなくても、伝言ゲームみたいに何かをキーにして観た人に小さな箱を渡せたら、中に何が入っててもいいんだと思う。中身まで押しつけないでも、預けられちゃえさえすれば。 作り手的にはいろんなものがあって、いろいろこだわって緻密に組み上げられてて、もちろん観た人にそれは通じなく(0)
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