Anoko

Anoko

あの子

" 滴る夏を携えてきみは笑った。 『ねぇ、この最後の夏から逃げちゃおうか』 きみの笑う世界がその頃の僕には世界の全てで、その瞳が伏せられる時が少しでも短く居て欲しかった。それは切実なまでの綺麗事で自己満足でそれでも僕はきみに明日を生きて欲しかった。昨日の出来事をきみが紡ぐ。だからあの子には会えないんだと下手くそに笑う。僕があの子ではないから届ける選択をした言葉ほど僕があの子であったならと後悔させる。きっと、あの子ならいとも容易くきみをこの世界に留めさせてしまうのだろう。きっとひとこと行かないで(0

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