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冬は貧乏くさくて嫌いだ。 秋生まれの私は夏に生まれたかったと泣いた。 毎年12月になると「イルミネーションを見よう」と車を走らせたお母さん。 あれは多分、高橋さんちの庭に飾ってあるイルミネーションだった。 玄関プレートに名前が書いてあったのだから間違いない。 高橋さんちは高級住宅地の坂道の途中にあって、車を路肩に停めたら、少し離れたところでイルミネーションを見上げる。 決して高橋さんちの敷地には入らず、小さな声で「綺麗だね」と各々感想を呟く。 高橋さんがどんな人なのか、お（5）
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